9.ワンダーチャイルド以前紹介した、「インナーチャイルド」についてもう少し書いてみます。カール・ユングは、自然な子供、素晴らしい子供を「ワンダーチャイルド」と呼んでいました。 インナーチャイルドが再生されると、このワンダーチャイルドが現れます。 インナーチャイルドの再生は、ワンダーチャイルドにすることなのです。 私たちは、それぞれが「コア・マテリアル」(中核になる考え方)を持っています。 私たちのコア・マテリアルは,人生早期の感情、信念、記憶で、構成され、子供時代の環境におけるストレスの反応によって形成されています。 このコア・マテリアルが一度形成されると、すべての体験がこれを通過しなければならないフィルターになり、その人生において、反復的、連続的に経験するようになります。 フロイトはこれを、「反復脅迫」と呼び、ミラーは「論理の非論理」と呼んだそうです。 それは、人があたかも色眼鏡をかけているようなもので、日光がいくら輝いても、いつも同じフィルターがかかっているということで、レンズが緑色なら、視界はいつも緑色に着色されています。 なので、私たちが変わりたければ、自分たちのコア・マテリアルを変えなければならないということです。 そこで、私たちのコア・マテリアルを形成したインナーチャイルドとの接触が、必要になるのです。 繰り返します。 私たちの行動には、コア・マテリアルを持ったインナーチャイルドが影響を与えています。 特に、ストレス過多の状態にはその影響は顕著で、よく観察すると「反復」しています。 しかし、この子供時代の出来事は、言語を使えない年齢の時のものは、イメージ、雰囲気、などの「言葉にならない物」で記憶されています。 だから、コア・マテリアルは非論理的で原始的であり、魔術的で傷付きやすく、欲求過多の、境界線ない子供には生き残る術をもたらす一つの方法にもかかわらず、「漠然」としたものが多くあります。 カウンセリングをしている時、「今、子供の時の場面を思い出して見て下さい、考えずふと浮かんだ風景を教えてください」と聴いてみます。 そこには、不安を抱えたインナーチャイルドや、恐怖にたたずむインナーチャイルドなどが存在し、ストレスがかかった時、心の中にあらわれています。 これは「無意識の中にある記憶」を引き出す手法で、その時浮かんだ風景にインナーチャイルドが持つ、コア・マテリアルのヒントがあるのです。 ということで、 あなたが、日常生活でよく思い出す「子供時代の出来事や、風景」にも、あなたのコア・マテリアルのヒントがあるのです。 |